心地良いヒンヤリ感の科学と、心地よいヒンヤリ感を持続させる技術
この技術でペット専用の冷房器が出来ました。
ぬるすぎてはダメ!!
冷えすぎてもダメ!!
ペットが喜ぶ冷房器が完成しました。
ここは、ペットの冷房器の技術説明のページのヒンヤリ感の持続の説明のページです。
↑ ≪うさぎの冷房器 US−1≫の待機状態のサーモグラフィの例
気温より少し(およそ3〜7℃程度)低い温度でウサギが載るのを待ちます。これが待機状態です。
夏、涼みたいうさぎがここに載ると、うさぎの体熱を心地よく吸熱し続けます。 ヒンヤリ感にうさぎが満足するまで、吸熱が持続します。
ヒンヤリ感の科学
体毛があるペットと、素手や素足で触る人との違いはあっても、ペットが求めるヒンヤリ感と、人が感じるヒンヤリ感は同じです。
そして、このヒンヤリ感を持続させる技術によって、ペットの冷房器が出来ました。
ヒンヤリ感とヒンヤリ感を持続させるためには、
@そのモノの温度が体温より低い事。
Aそのモノの熱伝導率が高い事。
Bそのモノの熱容量が極めて大きい事(本器は無限大)。
の3つの条件が満たされる必要があります。
@そのモノが体温より低い事。
気温が30℃の時、キッチンのステンレスや窓のアルミサッシなどに触れてみるとヒンヤリします。 手の温度約35℃と、アルミサッシの温度30℃の【温度差】約5℃がヒンヤリ感の第一の原因です。
本冷房器では、吸熱板(冷却プレート)の温度を、室温より3〜5℃程度(※)低い状態に保つように設定してあります。(※)この温度は室内気が吸熱板(冷却プレート)に触れている状態、によって変化します。
気温が30℃の場合であれば、およそ25〜27℃で待機している吸熱板(冷却プレート)は、35℃の手で触れば、10℃程度の温度差を感じることができます。
【ヒンヤリ感を科学すると】
温度の高い手から、温度の低いモノに熱が移動したとき感じるのがヒンヤリ感です。
当たり前のように感じますが、実は温度が低いだけではだめなことを次にご案内いたします。
Aそのモノの熱伝導率が高い事。
しかし、10℃の温度差によるひんやり感は、触るモノによって、大きく異なります。
一定の温度にある室内で、ステンレスのような金属部分に触った時のひんやり感と、木部や壁や布に触った時のヒンヤリ感は大きく異なります。
まるで、金属部分の方が、温度が低いように錯覚してしまいます。
これが、モノそれぞれが持つ【熱伝導率】の差によるものです。
熱伝導率とはモノの中を熱が伝わるスピードの違いを表したものです。
【ヒンヤリ感を科学すると】
つまり、触ったモノに移った熱の移動が早く大きいほどく、ヒンヤリ感が増します。
下記にモノの熱伝導率の参考例を上げました。
同じ室内の温度環境に有っても、熱伝導率が高いアルミニウムと熱伝導率が低い木部ではヒンヤリ感が違うことが数字からご理解いただけると思います。
発泡スチロールの熱伝導率は0.03で極端に低いです。
0℃以下のアイスクリームのカップを触ってもヒンヤリ感をあまり感じないのは、熱伝導率が小さいからです。
熱伝導率の例
材質 |
熱伝導率 単位 W/mk |
銅 | 390 |
アルミニウム | 230 |
大理石 | 2.0 |
木 | 0.2 |
羊毛 | 0.05 |
発泡スチロール | 0.03 |
↑ ≪犬・猫の冷房器WN−35≫の熱回路の銅板。
本冷房器には熱伝導率がアルミニウムの1.7倍高い銅板を多用しています。銅板は錆びやすく、このままでは使用できないのでいので、クロームメッキを施して実装しています。
本冷房器の熱回路は、熱伝導率が高い銅板とアルミニウム板を組み合わせて出来ています。
Bそのモノの熱容量が大きい事。
ヒンヤリ感は、
@そのモノの温度が低い事と、
Aそのモノの熱伝導率が高い事が条件であることが解りました。
では、同じアルミニウムなのに、アルミ箔とアルミのお鍋ではヒンヤリ感が違うのはなぜでしょうか?
アルミのお鍋で感じるヒンヤリ感をアルミ箔で感じることができません。
この違いが【熱容量】です。
アルミ箔が薄くて、移った熱が瞬時に溜まって、手の温度と同じになるので、熱の移動が起きないために、ひんやり感を感じることができません。
アルミのお鍋も、小さいお鍋なら、しばらく触れていると、ヒンヤリ感が薄れてきます。
厚くて大きなアルミのお鍋なら、ヒンヤリ感がずっと長く続きます。
同じ形状で銅のお鍋が有ったら、もっとヒンヤリ感を味わうことができます。
つまり、大きく重いほど熱容量が大きくなるので、ヒンヤリ感を持続することができるということが解ります。
夏にペットショップに並ぶアルミニウムの板も、大きく厚いほどヒンヤリ感が持続します。
本冷房器WN−40の吸熱板(冷却プレート)は、厚さ4ミリで400o×400oのアルミ板と、熱伝導効率の高い銅板を貼り合わせています。
しかし、それでも、ペットが載った時に、初期のヒンヤリ感を持続する時間には限度があります。
次第に、ペットの体温が移って、吸熱板(冷却プレート)が温まってしまうので、ヒンヤリ感が無くなってしまうからです。
【ヒンヤリ感を科学すると】
そのモノが大きく厚いこと、熱容量が大きいことが、ヒンヤリ感を長続きさせるということが分かりました。
しかし、むやみに大きくすることは、コストの面でも、取り扱いの面でも限度があります。
熱容量を無限大にしました。
熱容量が無限大に近い、厚く重く大きいアルミニウム板や銅板を使えば、つまり、ペットの体熱では到底暖めきれないほど大きな吸熱板(冷却プレート)であれば、ヒンヤリ感をいつまでも持続させることができるということが解りますが、合理的とは言えません。
本冷房器は、熱容量を無限大にしてあります。
それは、ペットの熱を速やかに空気中に放熱する熱交換ユニットを内蔵しているからです。
放熱してしまうために、吸熱板(冷却プレート)にはペットの熱が貯まりませんので、ペットの熱を常に受け取り続けることができます。
放熱のしくみは、技術説明のページでご案内の通りですが、ペットの熱の流れだけ改めてご案内いたします。
●上に載ったペットの熱を吸熱板(冷却プレート)が受け取ります。
●吸熱板(冷却プレート)に移った熱は吸熱側の熱回路(主に銅板)を通って、熱交換ユニットに流れます。
●熱交換ユニットが、受け取った熱を放熱側の熱回路に流します。
●放熱側の熱回路(主に銅板)が熱を放熱筒に流します。
●放熱筒が、ペットの熱を空気中に放熱します。
この流れが連続的に起きますので、ペットはいつまでもヒンヤリ感を感じることができます。
本冷房器の熱回路を移動する熱の流れを
冷房時の原理でご覧いただけます。
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