ハムスターを2匹飼うことの弊害についてご案内します。ハムスターは1匹だけで生活する【本能と習性】を持っていることを知ってあげましょう。   ハムスターQ&A

ハムスターを2匹飼うことの弊害についてご案内します。
ハムスターは1匹だけで生活する【本能と習性】を持った動物だということを知ってあげましょう。
ハムスターQ&A

 このホームページは、ハムスターを心身ともに健康に飼うことを主要な課題としています。ハムスターの健康を害する主要因がストレスであることは見逃せません。
ハムスターに深刻な影響を及ぼすストレスの一つに、2匹で飼われていることによるストレスがあります。ハムスターを詳しく観察すると、2匹飼いのストレスはとても大きくしかも鬱積することが解ります。

≪目次≫






§1.2匹を一つのケージで飼っている場合の弊害

●共食いと表現される殺し合いが起きる可能性が高いです。

『昨日まで仲良くしていたのに、、、、今日見たら一匹が死んでいた』という報告を頂くことがあります。

仲良くしているように見えたのに、突然縄張り本能が沸き上がってきて、強い方が弱い方を殺してしまう現象です。

自然界であれば、本能が沸き上がったその時になれば、弱い方はその場から立ち去りますから、殺し合いになることはありません。
しかし、一つのケージに居る場合は、逃げることができないために弱い方が殺されてしまいます。
しかし、報告を頂いて不思議なことは、牙があるわけではありませんから、致命傷を与えるような攻撃は出来ないはずなのに、
弱い方が死んでしまいます。
強い方のハムスターの執拗な追撃から逃げることができない恐怖による、過度なストレスが死因の一つではないかと推測しています。

ハムスターの、≪縄張り意識という本能≫が顕在化することを防ぐことは出来ません。本能ですから。
また、≪縄張り意識という本能≫が顕在化するその時も予測することもできないために、
一つのケージに2匹飼うことについては、お勧めしませんし、出来ればやめていただきたいと考えています。


§2.2匹を、それぞれのケージに分けて飼っている場合の弊害

慢性的なストレス状態になります。

以下の何れかまたは双方のストレス症状が現れる場合があります。
消化器系の病気の症状が出ます。
飼い主を噛むようになります。

慢性的なストレス状態になる前兆行動の例。

雲梯行動
金網を齧り続ける行動
ケース側面をよじ登る繰り返し行動

【その他】
飼い主と仲良くなりにくくなります。
ハムスターが飼い主と本当に仲良くなれるのは、ハムスターにストレスがなくなった時です。
2匹飼いのストレスがあると、ハムスターは相手のことで頭の中がいっぱいになってしまいます。これは本能ですから仕方のないことですが、飼い主と仲良くなるという心の余裕はなくなります。



§3.一匹では寂しいだろうと考えるのは、人の価値観と思い込みです

 ハムスターは、広い縄張りを持ち、そこに1匹だけで生活します。これはハムスター特有の【本能と習性】です。

地中の巣穴に群れで生活しているプレーリードックとは真逆の【本能と習性】ですネ。

 2匹目を飼ってあげようとする方は、1匹では寂しいだろうからと、ついつい考えてしまいますが、それは人間の価値観であって、 ハムスターにとっては、迷惑なことを通り越して、辛い毎日を過ごすことになり、とても大きなストレスになります。長く続けば健康を損なうのは明らかです。
 

「僕だけを可愛がってネ!!」というハム君の言葉を聞いてあげてください。



§4.一匹で生活する本能と習性を知ってあげましょう

 ハムスターは産まれておよそ3週間ほどは。、母ハムスターの元で、子供たち同士で生活します。
その後巣立ちの時が来れば、母親と兄弟と別れて独立して、広い縄張りを一人で守って生活する動物です。
その縄張り意識はとても強く、ハムスターの代表的な【本能と習性】の一つです。

ハムスターが縄張りを守る手段は臭腺とマーキングによる臭い付けです。
この行動は縄張りを持つ動物たちの共通の行動です。
ハムスターが縄張りを守る行動は、相手の縄張りを尊重して、他人の縄張りに侵入することを避けますので、侵出して戦って縄張りを奪うという行為は無いようです。戦う武器を持ちませんから、平和的だと言えます。

しかし、侵入があれば、強い方が弱い方を追い払うという行動を、相手がいなくなるまで続けます。

この様に、一匹だけで生活することを好む、好むというよりも【本能と習性】に持つ動物ですから、寂しいだろうからともう一匹を飼ってあげるという飼い主の好意は、ハムスターにとっては受け入れがたい行為になります。



§5.2匹飼いの弊害

 では、一つの部屋に飼育ケースを二つ置いて2匹を飼育したらどうなるでしょうか?

先に飼われていた1匹は、自分が飼われている空間には自分だけが居ますので、1匹の時には縄張り争いのストレスは、当然ですがありません。

 2匹目が来ると、臭いと音から、自分の縄張り(一部屋が縄張りになります)が侵されたことを知ります。そして、強いストレスが生じます。

お互いは臭いでどちらが強いかを知ることになります。

強い方は、弱い方を追い出そうとします。この部屋から出て行くよう、威嚇します。

弱い方は、強い相手の縄張りを認めて、この部屋から出て行こうと思います。

【強い方のハムスターのストレス】

強い方は、弱い方を追い出したいのにいつまでも居座っているのでイライラします。これがストレスになります。

ハムスターのこの時の行動はマーキングです。1匹の時には見られなかったマーキングが頻繁に見られるようになります。

【弱い方のハムスターのストレス】

一方の弱い方は、この部屋から出て行きたいのに、出て行くことが出来なくて、大きなストレスを感じます。毎日毎日このストレスに晒されて、病気の引き金になる場合があります。

強いストレスを感じ過ぎて、死んでしまったと思われるケースの報告もあります。



【飼い主とのコミュニケーションが取れない】

2匹飼いをすると、ハムスターは縄張りを守ることと、相手のことで頭がいっぱいになってしまいますから、心の余裕がなくなります。飼い主とのコミュニケーションの優先度が著しく低下し、馴れにくくなります。

つまり複数飼いすると、
① ハムスターのストレスの原因を作り、
② ハムスターを病気にしてしまう危険があり、
③ しかも飼い主に馴れにくいということになります。


【雄と雌を飼った場合】

以上は2匹が同性の場合ですが、雄と雌の場合にはさらに行動が複雑になります。

 異性の場合でも、通常は2匹飼いの弊害が出ますが、一たび雌の発情期になると、お互いの行動、特に雄の行動が激変します。
雄の方が何が何でも雌に会いに行こうと、必死の行動を起こします。
二匹を結びつけようとする自然の力が働くからです。
普段なら飛び越えられないケースから外に出てしまったというのはこの時です。ハムスターが飛んだのではないかと思うほどです。
お互いを求めて、すぐそこに居るのに会えないパニックになります。

 この期間の2匹は、何が何でも相手に会うための必死の行動を続けます。
このストレスは相当なものですが、
逢えないことでさらに大きなストレスを与えてしまいます。


当ホームページでは、このような可哀そうなことをさせない様に皆様にお勧めしています。

また、逢わせれば交尾しますので10ほどの新しい命の責任を飼い主が持つことになります。



§6.2匹飼いを将来計画されている方へアドバイス

 群れで生活する動物と、単独で生活する動物が居ることを理解しましょう。
一匹では可哀そうと思う気持ちはとても良く理解できますが、、、ハムスターは単独で生活する本能と習性の動物です。

『地下型の巣箱』は複数飼いを否定しません。しかし、『地下型の巣箱』方式の飼い方で、ハムスターとコミュニケーションを楽しむことを目的とするならば、ハムスターの関心を飼い主だけに向けさせる方が、お互いに幸せだし、ハムスターが健康に育ちます。

複数飼いする場合は、まず1匹を楽しく飼ってハムスターの本能と習性による行動を良く理解して、ハムスターのマスターになってから、複数飼いに挑戦することをお勧めいたします。
その時に『地下型の巣箱』はとてもお役に立てます。


§7.2匹飼いをしている方へアドバイス

①まず1匹で飼っていた時のハムスターの行動を思い出してください。
その時の行動が、単独で生活する本来のハムスターの【本能と習性】による行動です。
思い出せたら、2匹飼いした時のハムスターの行動にそれまでと異なっている部分があることを、知っていただくことができます。その違いが、2匹飼いのストレスの表れになります。

②『地下型の巣箱』でストレスを軽減。
【地上の環境】では2匹飼いのストレスにさらされますが、『地下型の巣箱』の中は、自分の家であって、最も安心できる場所になるので、家にいる間は、ストレスが軽減します。

③食べ物を豊富に与えてください。
縄張りを主張する主な要素の一つに食べ物の確保があります。必要な食べ物を確保できるだけの広さが必要だからです。
したがって、食べ物が豊富にあることで、安心すれば、縄張り争いが本能と習性とはいえ、和らぎます。

④以上の条件が満たされれば、『地下型の巣箱』の中にいる間は、縄張りのストレスが軽減するので2匹飼いによる弊害が和らぎます。


§8.出産させるために飼う、2匹のハムスターへの配慮

交尾・出産を目的に雌雄を飼う場合は、2匹の間に二つの行動があることをよく理解して、ハムスターのストレスを軽減する配慮をしてあげましょう。


●一つ目の行動は、相手を避ける行動、縄張り本能による行動です。

§4.一匹で生活する本能と習性を知ってあげましょう。などの説明の通りです。

●二つ目の行動は相手を求めあう行動です。

 今まで避けていた行動が、メスの発情期に合わせて、一変します。
お互いが、特に雄が何としても雌のところに行こうとする行動です。

行けるはずがないのに気が付いたら雄が雌のケージの中に居ました!!

飛んだのではないか?と言われるほどの、なんとしても雌の元に行こうとする、とてつもないパワーを出すのがこの時です。
 お互いが近くに居るのに、交尾できなければ、ストレスになります。
そして、発情期が過ぎれば、一つ目の行動、お互いを追い出す行動に戻ります。

 雄が雌の発情期を感じるのは、自然界では何百メートルも何キロも離れているので、部屋の両隅に置き分ける程度では隔離の効果はありませんが、せめて部屋を別にしてあげる配慮はしていただきたいと願っています。