【 野生のハムスター 】
≪ハムスターの生態≫
自然界に生きるハムスターは一晩に数キロメートル、時には20キロ
メートル以上走り回ると教えられても、この小さくて胴長短足の体型をみて皆さんは信じられますか?
ですが、よくよく観察してみると、厳しい自然を生き抜く野生のパワーが確かに見えてきます。
もともとハムスターは夜行性で昼は地下の巣穴にすんでいることは良く知られていることです。
夜になると巣穴から出てきて活発に活動し、夜明け前には巣穴に戻ってしまいます。
皆さん誰もが知っていることですが、ハムスターが棲息(せいそく)している環境は砂漠に近い乾燥地帯で、
四季の変化も激しく、食べ物がいつも豊富にあるようなところではありません。そこで、食べ物が無くなる冬に、
飢えて命を落とさないよう、食料を大量に貯蔵しておくという本能がハムスターに備わっているのです。
巣から遠く離れた場所で食べ物を見つけたとき、『ほお袋』は運搬手段としての大切な役目を果たします。
『ほお袋』に大量に食べ物を詰め込んだハムスターのおとぼけ顔は、実は生き抜くための、野性の本能のあかしなのです。
巣穴には食料貯蔵室があります。
≪天敵≫
ハムスターは食物連鎖のうち、もっぱら食べられる側にいる哺乳動物ですから、自然界の中では周りは天敵だらけです。
特に猛禽類の鳥は、ハムスターにとって空から突然襲ってくる天敵として恐ろしい存在です。
ハムスターは敵に遭遇する前に自分の方が先に気付いて隠れるしか生き延びる方法がないのです。
ハムスターの眼が上向きについているのは上空を警戒するのに都合が良いためだと聞きます。
「上から掴まないようにしましょう!」という注意書きが飼育書に見られる通り、
ハムスターにとって自分を上から掴んでくるものは「自分を食べる恐ろしい敵!」
と認識する本能があることを知っておくことが大切です。
ハムスターは決して臆病な動物ではありません。
活発で注意深く、警戒心が発達したとても賢い動物なのです。
だからこそ天敵だらけの大自然の中で生きていくことが出来るのです。
【上写真】隠れるところがない草原に放したハムスターです。
背を低くして、耳を立てて、警戒態勢をとっています。とても緊張した様子が観察できます。
≪巣の外のストレスと巣の中の安心≫
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このように、ハムスターにとって地上は生きていく為には絶対に必要な場所でありながら、同時に極めて危険な場所であって、
巣の外に出ているときは、命をかけて活動している緊張のときであり、警戒という強いストレスにさらされているときなのです。
【左写真】敵がいないと分かっていても、上空を確認する行動を頻繁に繰り返している様子です。
ペットとして、毎日安全に暮らしていて敵のことなど知らないはずなのに、誰からも教えてもらわないのに、
草原に放したハムスターからは、最大級の警戒態勢をとる野生の本能がほとばしるように感じ取れます。
しかし、ひとたび地下の巣穴に入ってしまえば、そこは安全に生活ができる自分の家です。
寝室、食料貯蔵室、トイレ専用の部屋など、機能的に作り分けたそれは人の家ととてもよく似ています。
巣穴の中のハムスターは安心して食事をし、眠ります。
母ハムスターにとっては安心して出産ができて、安全に子育てができる場所です。
巣穴の中で生活する時間は、15時間や20時間と様々な説がありますが、いずれにしても、
『ハムスターの一日の大部分・一生の大部分の生活が巣穴の中で営まれる』と言うことを知っておくことは、
基本的なことであり、重要なことです。
このことから、ペットのハムスターが、ゲージの中で『今自分がいるところは地上』
と感じているとすれば、常にストレスにさらされていることになります。
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