ハムスターが噛む ??
正しく飼育していれば、ハムスターは人を噛むような動物ではありません。
≪噛まないハムスターの育て方≫
では、なぜ噛まれる人がいるのでしょうか?
この項では、
『地下型の巣箱』が解明した、ハムスターの噛む行動
を皆様に知っていただきたく、その行動を分かり易くご説明いたします。
その上で「噛まないハムスターの育て方」
をご案内いたします。
≪目次≫
§T ハムスターの噛む行動の解明
1.ハムスターはもともと人を噛む(襲う)
ような動物ではありません。
2.噛む行動の解明
では、ハムスターはどんなときに人を噛むのか?
@縄張りを守る行動
A恐怖による咄嗟の反射行動
Bストレスによる行動
§U 噛むハムスターの治し方
§V 噛まないハムスターの育て方
噛まないハムスターの育て方・・・(本文)・・・
ハムスターの噛む行動を知れば、噛まないハムスターの育て方は簡単です。
§T ハムスターの噛む行動の解明
1.ハムスターはもともと人を噛む(襲う)ような動物ではありません。
ハムスターは危険を感じたら、その危険を避ける(逃げて隠れてしまう)動物です。
相手に襲いかかって噛みつくような、牙のある動物特有の噛む習性はハムスターにはありません。(※1)
有効な武器を持たないハムスターは、敵に襲われれば、まず食べられてしまうのですから、
噛むという行動は、ハムスターにとって極めて非日常的かつ異常な行動なのです。
したがって、ハムスターにもし噛まれたら、
そのハムスターがよほどの強いストレス状態にあり、正常な心理状態にない、
という信号を発信しているのだということを知って、適切に対処してあげる必要があります。
2.噛む行動の解明
では、ハムスターはどんなときに飼い主を噛むのでしょうか?
いただくメールから、ハムスターに噛まれて困っている方が実に沢山いらっしゃることが分かります。
噛まれたと言う報告から、どんなときに噛まれたかを詳しく調べてみて、噛む一定の行動パターンがあることが分りました。
このパターンを下記のように
@縄張りを守る行動。
A恐怖による咄嗟の反射行動。
Bストレスによる行動。
の3つの行動に分けました。
@縄張りを守る行動
【ハムスターが侵入者から巣穴を守る警戒域のモデル】
上の写真は、自分の巣穴を侵入者から守ろうとする警戒の範囲をモデル的に表したものです。
『地下型の巣箱』方式の飼い方のステップ5からステップ10までの期間に噛まれたとしたら、
この行動によるものです。
侵入者が自分より強い=危険と感じたら、巣穴に逃げ込んでしまいますので、この行動は起こりません。
侵入者が危険な捕食者ではなく、自分より弱い=撃退可能と判断した場合に限り起こる行動です。
侵入者が図の【浸入警戒域】に入ってくると、「それ以上近づいて欲しくない」と緊張します。
さらに近づいて【浸入拒否域】に入ると噛み付いてくる時があります。
この行動は、明らかに縄張り、この場合は狭い意味の縄張り=自分の巣穴を守るための行動です。
【浸入拒否域】の広さは変化します。
この噛む行動は【浸入拒否域】でだけ起きることが特長です。
このハムスターを飼育ケースの外に出すと、噛む行動を決して起しません。
つまり、自分が【浸入拒否】行動を起すべき場所に居ないからです。
今居る場所によって行動が変わるというこの行動の例は犬にもみられます。
自分が考える【浸入拒否域】
に入ってきた人には盛んに吠え、時には噛みつきますが、自分の方が縄張りを離れたとき(散歩の時など)には
おとなしくしています。
ただし、『地下型の巣箱』の飼い方では、噛まれることはありません。
なぜなら、この行動が観察できるのはステップ5⇒『地下型の巣箱』を与える。
から、ステップ10⇒自分の家を認識するまでの、数日間だけであり、
この間のハムスターとの関わりを禁止しているからです。
つまり、うっかり近づくと噛まれることがあるという程度です。
それも、ステップ11に進めば、
コミュニケーションが取れるようになりますから、
飼い主に対する【浸入拒否域】は自然消滅しますので、飼い主に対するこの行動も消滅します。
≪@の行動のまとめ≫
この行動は、正常なハムスターの正常な行動であり、自然界においてもみられるであろう行動です。
【発生の時】
巣穴を自分の家と認識した時から、飼い主とコミュニケーションが取れる前まで。
ステップ5からステップ10までの短期間です。
【場所】
巣穴の周りの一定区域又は飼育ケース全体(時期や相手の強さなどによって変化します)
【ハムスターの心理状態】
撃退可能な、強くない相手だけに見せる行動です。
自分の家を守る警戒心が極めて強く、神経質な時です。
【対処方法】
この時期はハムスターと関わら無いようにします。近寄ってきても無視してください。
A恐怖による咄嗟の反射行動
恐怖への咄嗟の反応が噛む行動となる場合です。
●つかまれたときに、敵に襲われたと勘違いして、咄嗟に反射的に噛む。
●上からつかんでくる手を敵と思って噛む。
●飼育ケースの隅に追い詰められて、恐怖心から噛む。
これは【窮鼠猫を噛む】型です。
ハムスターにとっては、咄嗟の出来事で、何が起きたか考える時間も無く、
警戒心と湧き上がる恐怖心による反射的行動です。
≪Aの行動のまとめ≫
【発生の時】
飼育を始めてから、コミュニケーションが取れるまでの一定期間。
飼い主につかまれていると言う判断が出来るようになるまで。
【場所】
何処でも。
【ハムスターの心理状態】
コミュニケーションが取れていても、一定の警戒心を持っている状態です。
【対処方法】
声をかけながら両手でゆっくりとすくい取るようなつかみ方をします。
つまり、ハムスターが恐怖心を持たないつかみ方をしてあげればこの噛む行動は、起きません。
しかし、この掴み方でもハムスターにとっては気持ちの良いつかまれ方ではありません。
手を差し伸べたら載って来るというハムスターの自主的な行動が理想です。
Bストレスによる行動
●むやみに噛みつく。
●寄ってきて噛む。
●オヤツをあげようとしているのに噛む。
先に説明した@とAの行動とは全く違った噛む行動です。
この状態でハムスターが噛むのは、強いストレス状態にあるからです。
この≪噛む≫というハムスターの行動は、飼い主が痛い思いをするということでは済まない,
ハムスターが飼い主に助けを求めているサインになります。
「ぼくは変になりそうなんだ!!」
「助けて!!」
というハムスターの精一杯の叫びのサインとして、気づいてあげなければなりません。
【原因】はストレスです。
●かまい過ぎが原因です。ハムスターがコミュニケーションを望んでいない時に、人のペースで可愛がったりいじり回したりすれば、当然のことですが、
強いストレスを与えてしまいます。
●安眠・熟睡する寝室が無いなどの飼育環境によるストレスが主な原因です。
●食べ物が足りないというストレスも見逃せません。
ハムスターには本能と習性による【食料を貯蔵する行動】が必要です。頬袋はこの行動の為にあります。
○満足する食料が貯蔵できない。
○貯蔵行動そのものができない。という環境は、大きなストレス源になります。
実はこのストレスは母ハムスターにとっては極めて重大なのです。(※2)
≪Bの行動のまとめ≫
【発生の時】
飼育環境からストレスを受けている間は続きます。
【場所】
安眠・熟睡が出来ないなど、飼育環境が良くない場合。
【ハムスターの心理状態】
警戒心が強く、常時ピリピリしている状態です。
ストレス状態であり、飼い主と良好なコミュニケーションを取る余裕が無く、この状態が長く続くと、
健康を損なってしまう場合もあります。
【対処方法】
ストレスを解消してあげる必要があります。
精神的にも身体的にも健全な状態を失ってしまう前に、飼育環境と飼育方法を改善してあげます。
とり急ぎ、安眠・熟睡できる寝室を与えます。
この様な状態のハムスターは安眠・熟睡させてあげることでストレスを徐々に解消し、それに連れて、噛む行動も無くなります。
§U 噛むハムスターの治し方
以上から、ハムスターに噛まれるのは、ハムスターに原因があるのではなく、
飼い主の方に原因があるということをご理解いただけたと思います。
本来、人を噛むようなことが無いはずのハムスターが噛むのですから、
知らず知らずのうちに飼い主が、ハムスターに相当に強い恐怖心・精神的負担・ストレスをかけていた、
ということが想像できます。
すでに【対処方法】で触れましたが、
@の行動については、ハムスターの正常な縄張り主張の行動ですから、この間は関わらなければ解決します。
Aの行動については、掴み方を改善すれば解決します。
早急に直してあげなければならないのはBの行動を取るハムスターです。
この噛む行動は、ストレスにより健康を害している兆候として最も注意すべき症状です。
しかし、この場合も、ハムスターに問題があるのではなく、飼育環境(ソフトとハードの両方)に原因があるのですから、
ストレス発生の源を解明して、それを改善してあげれば噛まなくなります。
お困りの相談メールの大部分がBにあたります。
ハムスターのストレスの原因の中で最も大きな原因が、安眠・熟睡できないことから生じるストレスです。
自然界と同じような巣穴の中の安全な寝室のなかに自分で作った寝床で安眠・熟睡させてあげてください。
【治し方のまとめ】
●『噛む』症状の有効な治療法は、ストレスを解消してあげること。
↓
●ストレスは飼育環境を改善してあげることで解消できること。
↓
●改善ポイントは、安眠熟睡できる【地下の生活環境】を整えてあげること。
↓
●『地下型の巣箱』の飼い方が解決する。
§V 噛まないハムスターの育て方
まず、飼育環境を整えてあげましょう。
詳しくは、
ハムスターの飼い方 T をご参照ください。
ハムスターをストレス無く育ててあげることが、噛まないハムスターに育てる基本です。
以下は、ステップ11のコミュニケーションの取り方の抜粋です。
詳しくはハムスターの飼い方 Uをご参照ください。
【コミュニケーション開始】↑
ステップ10が完成すると、ハムスターはとても落ち着いた状態になります。
自分で選んだ寝室に自分で作った寝床で安眠・熟睡できて、
食べ物も貯蔵するようになったハムスターは、自分の家を持ったことを認識して、精神的に余裕が出てきます。
すると、本能の好奇心が次第に湧き出してきます。
この好奇心によって、飼い主のことが気になって気になって確かめたくなった時。
このときがステップ11の開始時期です。
飼い主の声が聞こえると、巣穴の出入り口近くまで様子を見に来るようになったら、好機です。コミュニケーションを始めてください。
◎ハムスターがこのときに飼い主とコミュニケーションを取るようになるのは、
ハムスターが持つ習性の中の好奇心と勇敢さと学習能力の高さが、警戒心を上回るほど顕著になってくるからです。
ステップ11を成功させるポイントは、
ハムスターのこのときの心理を良く理解してあげることです。
●もともと持っている極めて強い警戒心(これは常に持続しています)。
●食べ物を求める貯蔵の心。
●勇敢な心(臆病なら出てきません)。
●好奇心。
●学習能力。
●賢さ。
が混在しています。
【コミュニケーション初期】↑
巣穴の中から様子を窺い、好奇心が警戒心に打ち勝つと、巣穴から顔を出してきます。
危険なら、すぐ巣穴に逃げ込めるので、比較的安心して居られます。
【コミュニケーション中期】↑
Aで飼い主が危険でないことをすぐに学習すると、Bのエリアまで出てくるようになります。
決して手で追いかけるようなことはせず、手が危険でないことを学ばせ、合わせて優しい声を掛けて、飼い主のことを臭い、声など、多くの感覚器官に記憶させます。
【コミュニケーション発展期】↑
飼い主が安全であることを学習すると、呼べば外に出てくるようになります。
楽しくコミュニケーションを取って、ますます仲良くなることが出来ます。
ステップ11を終了したハムスターは、飼い主を噛むような事はありません。
(※1)【相手をかみ殺すのは飼育ケースの中だから起こる事件です】
ペットのハムスターが一緒に棲んでいたハムスターをかみ殺してしまったという報告があります。
ゴールデンなど大型のハムスターには顕著です。
私は、このような殺し合いは自然界では発生しない、あるいは極めて発生しにくいことだと考えています。
ハムスターは縄張りをとても強く主張する動物です。
自然界では縄張り争いになっても弱い方が逃げ、強い方が深追いをしませんから、
命を落とすような戦いにはならない筈です。
しかも、マーキングなどで日頃から縄張りを主張することで、相手の縄張りを意図的に犯す行為を未然に防いでいます。
戦いそのものを避ける仕組みがちゃんと働いているのです。
ハムスター以外の動物の自然界における縄張り争いの多くの例でも一方が命を落とすほどの争いは起こりません。
ではなぜ、ペットのハムスターでは弱い方が噛み殺されてしまうのでしょうか?
それは、飼育ケースの中で逃げ場が無いので最後の最後まで戦わざるを得ない結果だと考えています。
逃げ場を作ってあげれば、弱い方は逃げることができて、逃げれば強い方は深追いしないことを観察と実験で確認しています。
しかも、相手に噛まれて死んでしまったという情報をいただいたときにその状況をお聞きすると、
致命傷になるほどの噛まれ方はしていないと思われるふしがあります。
このことから、逃げ場が無く、追い詰められ、
攻撃されたことによるショック死の可能性も有るのではないかと推測しています。
つまり、ハムスターは自分の命に関わるようなことが起きない限り、噛まない動物なのです。
(※2)出産したハムスターは、飼育環境に子育ての為の充分な量の食料が確保できないと判断すると、
子育てを早期に断念(自分の子供を食べてしまう)する場合があります。
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