§1.まず、これまでの誤解を解きましょう。
これまでハムスターの【性質】はとても大きく誤解されていました。
≪臆病で≫
≪か弱くて≫
≪病気になりやすい≫
というイメージをお持ちではありませんか?
この管理者である私自身も昔はこの様に飼育本から学びました。
ところが、ハムスターの行動を詳しく観察し直した結果、
≪勇敢で≫
≪逞しく活発で≫
≪とても健康で≫
≪学習能力が高く賢く≫
≪旺盛な好奇心を持っている≫
ということがわかりました。
そして、
≪警戒心≫と≪用心深さは≫
想像をはるかに超える高いレベルであることが分かりました。
観察対象のハムスターは、自由に行動できる放し飼い状態にして、ストレスのない良い環境で生活しているハムスターです。
§2.今までのハムスターのイメージからは、真逆の観察結果です。
この観察結果をもとにして、改めてハムスターに接してみると、観察結果の正しさがはっきりと確認できました。
≪観察結果の正しさの例≫
今までは、迎えたばかりの時に巣穴に入ったまま出てこないのは、≪臆病だから≫と言われていました。
しかし、出てこない期間は、巣穴の中から、足音や、声や、臭いなどの情報から、飼い主のことを盛んにしかも急速に学習している真っ最中の時期であることがわかりました。
飼い主が危険でなさそうだという判断は早いです。すると、巣穴の下まで来て、飼い主を観察している姿が巣穴のすぐ下に観られるようになります。
安全な巣穴の中から飼い主を観察できる環境が必要です。
もし臆病だとしたら、奥の方で怯えているはずです。
この様に、初日の段階で、飼い主のことをキツネの様に危険だと学習されてしまうと、巣穴の近くまで出てきて飼い主を観察するというこの行動は見られません。
ハムスターにとって、飼い主が敵なのか?そうでないのか?を見極めることは死活問題です。
うかつに出て行って食べられてしまうなどと言う危険は絶対に冒さない用心深さがDNAとしてしっかりと備わっていることがわかります。
しかし勇敢でもありますから、ひとたび「飼い主は敵ではない」と学習し納得すれば、まず、巣穴から顔を出す行動が観られます。
臆病だから出てこなかったのではなく、この間に飼い主のことをしっかりと観察して、【食べられる心配はない】と判断した結果の行動だということです。
信頼できる飼い主なのか?
用心しなければならない飼い主なのか?
ハムスターは賢く判断しています。
この時のハムスターの心理はハムスターの気持ちで報告しています。
↑ 飼い主が「敵ではない」と学習したハムスターに見られる行動です。
初めは「敵ではない」ことを確認・確信する行動です。「危険だ」と思えばすぐに引っ込みます。
このときの飼い主の行動で大切なことは、関わらないことです。
目を合わせばハムスターは危険を感じて巣穴から中に離れます。
また、静かにそっと近寄れば、なおさら警戒されます。
自分を狙う敵がそっと近づくのと同じだからです。
この時の対応の仕方は、ハムスターに関わらないってどういうことですか?で詳しくご案内しております。
巣穴から出てこさせるのは簡単です。
飼い主のことを「敵ではない」と学習して納得するまでの時間を、ハム君に与えてあげるだけで良いのです。
つまり、この間は、臆病だから静かにしておくのではなくて、飼い主は普通にふるまうことで、ありのままの飼い主をハムスターが学習して、飼い主は「敵ではない」と納得するまでの時間を与えてあげるのが正しい接し方なのです。しかもこの判断時間はほぼ一日です。
早く判断してくれますが、半面、悪く判断するのも早いということです。
§3.軽いハムスターですが、賢さはとても重いです。
ところで、ハムスターは
≪臆病で≫
≪か弱くて≫
≪病気になりやすい≫
という情報が充満している中に突然、
≪勇敢で≫
≪逞しく活発で≫
≪とても健康≫
と、まるで真逆のことをご案内しても、かえって戸惑われるかと危惧いたします。
でも、ここでご案内している『地下型の巣箱』をハムスターの家に使用する飼い方で、≪賢くて≫≪学習能力が高く≫≪旺盛な好奇心を持っている≫ハムスターの本当の姿を実体験していただけます。
とは言いつつも、皆様の体験前の予備知識として、予め簡単にハムスターの本当の性格を紹介しておきます。
● ハムスターは、≪臆病≫では無かったのです。
とても≪勇敢≫な動物でした。
≪臆病≫と表現されているのは、人の気配ですぐに逃げ隠れする行動から≪臆病≫と思われているのでしょうが、この行動は、臆病な行動ではありません。
ハムスターのきわめて高度な警戒能力による行動です。
ハムスターは食物連鎖の最下位にいる哺乳動物で、自然界に於いては、周りはハムスターを食べようとする敵だらけで、もっぱら食べられる側にいます。
もし万が一見つかれば襲われて食べられてしまうのですから、それで一生が終わってしまいます。
「失敗した!!」などと言う生易しいことではありません。
ハムスターにとって失敗は即、【死】ですから、やり直しはありません。一貫の終わりです。
育児中の母ハムスターは、自分が居なくくなれば子供たちが生きられないことを知っているはずです。敵に見つからないで行動する警戒能力が極めて高くなっていることが推測できます。
ですから、絶対に失敗が許されない、高度な警戒能力が全てのハムスターに【本能と習性】として備わっています。
本能ですから、個体差はありません。
敵だらけの自然界に於いても食べ尽くされず、絶滅せずに繁栄しているということが、高度な警戒能力が有効に働いている何よりの証拠です。
● ハムスターは、≪か弱くて≫≪病気になりやすい≫≪突然死んでしまう≫動物ではありませんでした。
≪逞しく活発で≫≪とても健康に生きる≫動物です。
病気にしてしまったり、死なせてしまった経験を持った方が多いので、ハムスターは≪か弱くて≫≪病気になりやすい≫ということになってしまったのだと推測します。
しかし、『地下型の巣箱』方式での飼い方で飼育すると、ハムスターが≪逞しく活発で≫≪とても健康≫であることを実感していただけます。
ハムスターが住んでいる自然界は、とても厳しい環境です。食料がいつも豊富にあるところではありません。一晩に何キロも原野を駆け巡って食べ物を採取しているハムスターです。か弱いはずがありません。
§4.ハムスターは≪とても賢くて≫≪学習能力が高く≫≪旺盛な好奇心を持っています≫
『地下型の巣箱』方式で飼育すると、ハムスターが≪とても賢くて≫≪学習能力が高く≫≪旺盛な好奇心を持っている≫ことを実感していただけます。
迎えられたその時から、飼い主のことを羊(ヒツジ)の様な安全な飼い主なのか?キツネの様な危険な飼い主なのか?を見分ける賢さを持っています。
自分の命を守るためです。
飼い主がヒツジと同じように安全だ!!と学習すると、
巣穴から出てくるようになります。
仲良くなるのは次の段階です
ハムスターが近づいてきたから、ハムスターが手から食べ物を取ってくれたから、手に載って食べ物を食べたからハムスターと仲良くなれたと思うのはまだまだ早いです。
公園で犬が、知らない人から食べ物をもらうのに似た行動です。
信頼関係ができていなくてもこのような行動はハムスターにも見られます。
危険ではなさそうだというだけの関係です。
§5.ハムスターに、とても強い好奇心が湧きだしてきます
良い環境、新しい飼い方の環境で育ったハムスターは心身ともに健康に生活します。
健康なハムスターの心には余裕ができます。するとハムスターの心に
好奇心が湧きあがってきます。
この好奇心が飼い主に向けられて、飼い主とコミュニケーションが取れるようになります。
そして信頼関係が出来て本当に仲良くなれます。
飼育環境によるストレスのあるハムスターにはこの好奇心が湧き出してくる心の余裕がありません。
§6.研究結果と結論
原野を駆け廻る野生のハムスターは、≪勇敢で≫≪逞しく活発で≫≪賢く≫≪とても健康≫、であることが容易に想像できます。
このことは、新し飼い方で生活しているハムスターを観察することで実証できます。
これまでハムスターは誤解されていたことが沢山あります。
【例えば その①】、
か弱いので病気になったら獣医さんに診てもらうというのが常識でした。
しかしこれは間違いです。
ハムスターの【本能と習性】に合った飼育環境つまり、適切なハードとソフトの環境を整えてあげれば、ハムスターはとても健康に飼うことができます。
【例えば その②】、
ハムスターに血が出るほど噛まれた方がこれまでに沢山います。
ハムスターは噛む!!と言われていました。
しかしこれも間違いです。
もともとハムスターは人を噛むような動物ではありません。噛まざるを得ない環境で飼われているから、やむなく噛むのであって、適切な環境で飼えば、飼い主と楽しくコミュニケーションを取るようになり、血が出るほど噛みつくなどと言うことは起こりません。
もし血が出るほど噛むハムスターが居たら、ハムスターがとても辛いストレスに晒されて、正常なハムスターでなくなっている可能性があります。悪いハムスターなどとレッテルを張るのでなく、救ってあげなければなりません。
噛むことについての研究報告の詳細は噛まないハムスターの飼い方で詳しく報告しています。
観察と研究の結果、このような誤解が生まれた原因が解明できました。
それは、ハムスターがペットとして飼われ始めた時にさかのぼります。
ハムスターは初めは実験動物として飼われました。その後、表情が可愛いのでペットとして飼われるようになったのですが、飼われ方、飼い方が実験動物の時のままの延長で現在に至っていることが原因です。
実験動物の時のハムスターの家と、ペットとしてのハムスターの家は、おのずと違うのは当たり前のことだということがわかりました。
ハムスターの家は、地面の中に寝室や貯蔵室やトイレ室があって、母ハムスターの場合は育児室も作って、一日の大部分をその中で生活しているということを、今では誰もが知っています。
ハムスターは、
●寝室に自分で作った寝床で安眠・熟睡したいのです。
●食べ物を沢山貯蔵して、安心したいのです。
●トイレ室を決めてそこだけにオシッコをして他の部屋の清潔を保ちたいのです。
これはすべてのハムスターが欲していることです。ハムスターの【本能と習性】だからです。
そして、このことを、ハードの環境とソフトの環境で実現させてあげれば、ハムスターは、大喜びします。
健康に生活することができます。
『地下型の巣箱』方式はこのような研究結果から設計されたハムスターのための飼育環境と飼育方法です。
追記:
警戒心による行動を誤解しないことが、仲良くなるコツの一つです
ハムスターの警戒心はとても強く、それを「人の100倍も1000倍も警戒心が強い」と大げさに表現させていただいています。
しかも、この強い警戒心が巣穴の外に出ている間中、コミュニケーションの間も持続しています。
このことを常に思い出していただきながらコミュニケーションを進めれば、仲良くなるのは簡単です。
「飼い主を見てすぐに巣穴に飛び込むのは臆病だから、、、」というのは誤解です。 臆病だから飛び込んだのではなく、この警戒心のスイッチを飼い主が知らず知らずのうちに押してしまった結果の行動です。
誤解が誤解を産めば信頼も揺らぎます。
ハムスターの警戒心のことを知識としてお持ちいただければ、どなたにも、コミュニケーションが上手く進みます。
自分の性質を正しく理解してくれている飼い主さんに飼ってもらえるハムスターは、、とても幸せです。